忠犬といえば、東京 渋谷のシンボルでもあり、飼い主の死去後も約10年にわたって渋谷駅まで飼い主を出迎えに通い続けたというハチ公が有名です。
日本以外にも、ハチ公同様、飼い主の死後も忠誠心を示し続けた犬がいるんです。
今回はそんな世界の忠犬をご紹介いたします。
目次
飼い主の傍に11週間寄り添ったボーダーコリー
イギリスのウェールズに住む14歳のボーダーコリーのラサップ(Ruswarp)は、日々をハイキングに費やし、ウェールズのバーンリーの山腹を彼の飼い主であるグラハム・ナットール(Graham Nuttall)氏と一緒に旅をして過ごしていました。
1990年1月、近所の人たちはグラハムがハイキングから戻っていないことに気づきました。
そして捜索隊がこの地域を一週間にわたって捜索しましたが、グラハムとラサップを発見することができずにいました。
そしてその11週間後、ハイキングをしていたデビッド・クラーク(David Clarke)氏によって、渓流の近くでナットール氏の遺体が発見されました。
その際、驚くべきことに、ボーダーコリーのラサップが冬の凍える寒さの中、グラハム氏の身体を温めるように寄り添っていたのです。
残念ながら、ラサップはその後、長く生きることができず、グラハム氏の葬儀の直後に亡くなりました。
雨と雪の中に示したこのボーダーコリーの人間への忠誠心と献身が人々に称えられ、2009年にガースデール駅(Garsdale Station)に銅像が建てられています。
飼い主の泥だらけの墓を離れない献身的な犬
2011年、ブラジルのリオデジャネイロの近くで、大規模な洪水により発生した土砂崩れにより、少なくとも600人の市民の命が失われました。
その市民の一人であるクリスティーナ・チェザーリオ・マリア・サンタナ(Cristina Cesario Maria Santana)は、彼女の家族と一緒に亡くなりました。
生き残った唯一の家族は彼らの犬、レオ(Leao(ポルトガル語で「ライオン」を意味))でした。
レスキュー隊が生存者を探してその地域を捜索していると、彼らは地面を掘っているレオを見つけました。
そこで、その場所の下を捜索すると、クリスティーナたちの家族の遺体が見つかりました。
しかし、人々がクリスティーナらの家族を埋葬した後も、レオはその場所を何週間も離れず、最後はブラジルの動物保護組織であるONGエスティマカオにより保護されました。
本当に忠実だったイタリアの犬、フィド
第二次世界大戦中の1941年、レンガ造りの窯の労働者であったイタリアのボルゴサンロレンツォ出身のカルロ・ソリアーニ(Carlo Soriani )は、家に帰る途中の道端で負傷した犬を見つけました。
カルロはこの犬を家に連れ帰り治療を施しました。
最終的にカルロとその妻は、その犬を飼うことにし、ラテン語で「忠実」を意味するフィドと名付けました。
その後すぐに、回復したフィドはカルロを追って近所のバス停まで行き、カルロが仕事から戻るまでそこで待ちます。
この習慣は、カルロが働いていた工場で砲撃が起こるまで、2年間続きました。
残念ながら、カルロは亡くなりましたが、彼の忠実な犬フィドはそのことを知りませんでした。
その後、フィドが亡くなるまでの14年間、彼は毎日自分の最愛の飼い主を待つためにバス停に通い続けました。
そんなフィドに敬意を表して記念碑が建てられ、フィドの死の1年前に街の広場に置かれました。
ソリアーニの未亡人は、ボルゴサンロレンツォ市長による除幕式に出席し、またフィドの死後、彼の不朽の忠誠心に関する一面の物語が国中に広まったのです。
飼い主のお墓で12年間も眠ったジャーマンシェパード
2005年、ミゲルはジャーマンシェパードを保護し、キャピタンと名付けました。
残念ながら、ミゲルは彼が亡くなるまでの1年しかキャピタンとの時間を過ごすことはできませんでした。
しかし、それは短い時間でしたが、キャピタンには長く心に残る印象を与たようです。
ミゲルの家族は犬を引き取りましたが、ミゲルの葬式の直後にキャピタンは姿を消してしまいました。
ミゲルが埋葬されたお墓の管理人が、ミゲルのお墓の上に横たわっている犬を発見するまで何ヶ月もの間、キャピタンがどこに行ったのか誰も分かりませんでした。
ミゲルの家族の家と墓地の間の距離、そしてキャピタンがその墓地を見つける能力に対して家族は驚きました。
その後の12年間、キャピタンはミゲルの墓地とその周辺で、彼の人生を過ごしました。
お墓の管理人によると、キャピタンは毎晩午後6時きっかりに、ミゲルのお墓の上に横たわり、2018年に亡くなるまで続きました。
カネロ、カディスの専用犬
1980年代後半、病気の男性は毎週スペインのカディスにある最寄りの病院を訪れ、透析治療を受けていました。
毎度の訪問の際に、彼の忠実な相棒であるカネロを連れていきました。
補助犬以外の動物が院内に入ることを禁止する病院の方針があったため、カネロは飼い主の透析治療が終了するまでドアのそばで待機していました。
彼は治療が終わると、外で待っている犬と再会し、彼らは一緒に家に戻りました。
ある日、合併症のため、男性は透析治療中に病院で亡くなりました。
しかし、カネロは忠実に外で待っていたのでそのことを知る由はありませんでした。
そしてカネロは病院のドアの外で、彼が死ぬまで12年間飼い主を待っていました。
そして、隣人やコミュニティの人々はカネロに食べ物と水をずっと与えました。
地元の人々は彼の優雅さと献身にとても感動し、彼にちなんでその病院の路地に、彼の名前を付け、彼の名誉を称えたのです。
おわりに
いかがでしたか?
日本のハチ公にも負けない忠犬ぶり。
これらの犬は、犬の愛と献身には際限がないことを我々に教えてくれますよね。
あわせて『すべての犬の飼い主が気付いている10のこと』の記事もご覧ください。
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