アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は、複数の薬剤に対して耐性をもつウィルスによる感染症により20人以上が感染している問題について注意喚起を行っています。
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アメリカ疾病管理予防センター(CDC)ってなに?
wikipediaによるとアメリカ疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)とは、アメリカのジョージア州アトランタにある保健福祉省所管の感染症対策の総合研究所です。
1946年に創設され、アメリカ国内・国外を問わず、人々の健康と、安全の保護を主導する立場にあるアメリカ合衆国連邦政府機関であり、健康に関する信頼できる情報の提供と、健康の増進が主目的となっています。
CDCより勧告される文書は、非常に多くの文献やデータの収集結果を元に作成・発表されるため、世界共通ルール(世界標準)とみなされるほどの影響力を持ち、実際に日本やイギリス等でも参照・活用されており、未知のウイルスや感染症などを題材にした映画や小説に登場することが多く、たとえば映画『アウトブレイク』やTVドラマ『ウォーキングデッド』なんかに出てきます。
CDCからの注意喚起
CDCによると、アメリカの13州で生後8ヶ月から70歳までの少なくとも30人が、アメリカで最も一般的な食中毒の原因となる病原菌の「カンピロバクター・ジェジュニ」に感染しています。
このアウトブレイクによる死亡例は報告されていませんが、4人が入院しています。
疫学的検査により、ウイルスの発生源が子犬、特にペットショップの子犬と接触していることが判明しました。
CDCが聞き取り調査した数十名のうち、21人が子犬との接触を報告しました。
これらの人々のうち15人がペットショップの子犬と接触したと報告し、そのうち12人はある大手ペットショップチェーンであり、そのうちの5人はそのペットショップの従業員でした。
CDCによる調査は現在進行中ですが、このアウトブレイクで感染した患者から採取したカンピロバクター細菌は、一般的な治療に使用される8つの抗生物質に耐性があることが分かっています。
感染による症状とは?
カンピロバクターに感染したほとんどの人は、発症後2〜5日で血性下痢、発熱、胃けいれんを起こします。
病状は通常約1週間続き、ほとんどの人は抗生物質なしで回復し、抗生物質は重症患者や免疫システムが弱っている患者にのみ必要とされています。
↑イメージです
ペット飼育者のカンピロバクター感染症の予防方法
犬は健康で清潔に見えても、人々に感染する可能性のあるカンピロバクターを保有しているかもしれません。
子犬や犬を飼っている、または触れた人は、ペットの周りで健康を損なわないように以下のような対策を行う必要があります。
子犬や犬に触れた後や、エサを取り扱った後、掃除した後は、必ず石鹸と水で手をよく洗ってください。
- 小さい子供もしっかり手洗いしているか見てあげてください。
- 石鹸と水がすぐに手に入らない場合は、石鹸と水で手を洗えるまで除菌スプレーなどを使用してください。
- 犬のおしっこやうんち、嘔吐物を掃除した後は忘れずに手を洗ってください。
- 家の中でのおしっこ、うんち、嘔吐物はすぐに掃除してください。その後、水とハイターなどの漂白剤の溶液を使い、その場所を除菌清掃します。
- 犬に口や顔を舐めさせないでください。
- 開いた傷口などを犬に舐めさせないでください。
- 犬を定期的に獣医に連れて行き、健康状態をチェックし、病気の拡大を防ぎます。
新しい子犬または犬を迎え入れて数日以内に、動物病院で健康診断を行う。
- 病気の兆候には、無気力に見える(緩慢または疲労)、エサを食べない、下痢、異常な呼吸などがあります。ですが、健康に見える犬でも、細菌を人や他の動物にうつすことがあります。
- 犬を家族に迎え入れた後すぐに犬が病気になった場合は、すぐに犬を動物病院に連れて行き、ペットショップ、ブリーダーなど受け入れ元にペットの病気について知らせてください。
- 水と漂白液を使用してペットがいた場所を完全にきれいにします。
終わりに
今回の注意喚起はアメリカのペットショップに関連した感染によるものでしたが、日本でも過去に犬からのカンビロバクターの感染は報告されています。
”我が子”がかわいいあまり必要以上のスキンシップをしてしまいがちですが、人間にもうつる可能性のあるウィルスなどを保菌しているかもしれませんので正しい知識を身に着けてペットとの健康的な生活を送っていただければと思います。