日本獣医師会が発表している「家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査(平成27年度)」(分析・作成:株式会社マクロミル)によると、日本居住者の約30%がペットを飼っており、そのうち約12%が犬の飼育者となっています。
犬や猫が家族としての地位を着実に積み上げてきた昨今において、職場を含むペットに適した公共の場所がますます増えてきています。
アメリカにおいてはGoogleやAmaonなど名だたる企業は、すでに犬と同伴出勤OKといった犬に優しい企業方針を採用戦術として取っています。
日本においても、ペットに関連した企業以外でも犬を職場に連れてくることを許可しているドッグ・フレンドリー企業が少しずつ出始めています。
しかし職場にペットを連れてくることについて、考慮すべき賛否両論の意見があります。
企業において4本足の友人を職場に連れてくることを許可する前に、一度ご確認いただき賛否についてご検討くださいね。
目次
職場に犬がいることのメリット
- ストレスを和らげる
2012年の研究 では、犬を職場に連れてきた人はストレス・ホルモンのレベルが低いことが明らかになっています。
- 積極的なコミュニケーションが促進される
ペットは職場における共通の関心の対象となり、同僚がフレンドリーにそれぞれに話しかけることができます。
- 従業員の離職率の減少
一部の人々にとって、ペットを仕事に連れて行くことが必須の事情を持つ場合があります。彼らがそれを許可する会社を見つけたら、すぐにその会社で働きたくなるでしょう。
- 優秀な人材を引き付ける
充実した出産手当やフレックスタイムなどの福利厚生や雇用条件のように、犬に優しいオフィスは、潜在的な雇用と採用について非常に魅力的であり優秀な人材が集まる要因となります。
- パフォーマンスの向上
ペットを飼っている従業員は、犬の世話をするために家に帰る必要がないため、欠勤が少なくなり、残業も嫌がることが少なくなるでしょう。
- ペットの世話をするコストが削減される
犬を、飼い主が仕事中に面倒を見てくれる犬の保育園に入れたり、犬の散歩をする人を雇う場合、それなりの費用が掛かりますが、ペットを職場に連れていくことで大きな節約になります。
- 士気を向上させる
犬は、職場の雰囲気がストレスフルになったときに、気分を明るくしてくれるのに役立ちます。
犬にやさしい職場のデメリット
- 同僚のアレルギーまたは恐怖症の問題
千葉県が行ったアンケートでは、県民の約8.5%が動物アレルギーの自覚がある結果となっています。
アレルギーがある人、犬が怖い人にとっては職場に犬がいることは不快に思うかもしれません。
- 混乱を巻き起こす
ほとんどの人が職場の人間関係で好き嫌いがあるのと同様に、一部の犬は特定の犬と仲良くならない場合があります。
職場での犬同士がドッグファイトした場合、オフィスは破壊されたり危険な場合があります。また、同僚、クライアント、または顧客間の関係を損なう可能性もあります。
- 気が散る
犬が吠えたり、大きないびきをかいていたり、オフィス内でおしっこしたりすると、気が散ってしまい仕事をする上で非常に迷惑です。
よくトレーニングされ、しつけされた犬だけを仕事に連れて行くべきです。
- 犬を世話する時間が取られる
常に会議の予定が入っているとき、または仕事の締め切り間際で忙しいときにでも、犬に必要なトイレ休憩の時間を見つける必要があります。
- 潜在的な法的および保険の問題
従業員が犬に噛まれると、場合によっては労働災害(労災)として補償問題につながる可能性があります。
あなたが企業経営しており、犬に優しいオフィスポリシーの採用を検討している場合、起こりうる潜在的な問題について弁護士に相談することをおススメします。
最後に
最終的に犬をオフィスに連れてくることを許可するかどうかは、いくつか異なる要因に依存します。
犬を職場に連れてくる前に、メリットだらけではない、デメリットについても十分に検討することが大切です。
そして社員の方たちも、犬の種類や大きさなどによっても変わるので、あなたの愛犬を職場に連れてくる前にあなたの上司に確認してくださいね。